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「面頬」とは?!

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こんにちは。
星槎国際高等学校柏キャンパスです。  

新型コロナウイルス感染症の影響で生活スタイルが様変わりしてしまったみなさん、いかがお過ごしでしょうか?

生活の中で何か工夫をされていますか?

柏キャンパス剣道部も全国大会を目標に稽古を続けていましたが、時勢には勝てず現在稽古は中断中・・・。

剣道部の「ぜひ稽古を再開したい!」という思いに応えて動き出した柏キャンパス名物「伝統工芸技術研究ゼミ(剣道具)」。

「何か工夫をすることで剣道を再開できないか?」と、コツコツと研究を続けてきたその取り組み、ぜひご覧ください!

◆これ使えるかも?「面頬」のと出会い
2020年3月
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、対人稽古が難しくなってしまった剣道。

「稽古、やりたいなぁ~・・・」
そこで立ち上がったのが、
伝統工芸技術研究ゼミ生達!
「何か工夫してみよう!」
新たな取り組みがスタートしました。

現代剣道よりずっとずっと前に、私達の先祖が戦の道具として使っていた鎧・兜の様式からヒントを得た「面頬」。
「これ、いいんじゃない?」
「うん!使える、使える!」
そんな軽い感じでのスタートでしたが、柏キャンパス「剣道探求論ゼミ」師範 岡田守正先生の監修をいただき、本格的な実用に向けての開発が始まりました。

■そもそも面頬って何?
面頬(めんぽお)は、鎧・兜の一部であり顔面の防御とともに装飾によって相手を威嚇する意味合いをもつ武具でした。
時が流れ、面金と役割が重複する「面頬」は現代剣道の道具が現在の形に変化していく過程でその役割を終え、消えていきました。

◆本気で面頬
2020年4月
アイデアの方向性が固まり、型紙づくり・試作品づくりがスタートしました。

芯材選び・面頬本体の素材選び・形状の研究・・・
やることはたくさんありました。

毎日毎日試行錯誤の日々。

ある程度の形が決まったのが4月中旬。

しかし、そこからがまた試行錯誤の日々。
改良!改良!
より良く!使いやすく!

やればやるほど改良点が見つかります。

実際に「面頬」を防具に着けての稽古実験。

◆柏キャンパスから世界へ
2020年5月
なんとかモニターの方々に実際使用していただき、実用体験アンケートにご協力いただくまでにたどり着くことができました。

2020年6月
剣縁をいただく中で、遠くは海の向こうのニュージーランド、国内では愛知県他各地で体験していただいています。

素材、芯材、形状、色味、全てにこだわり、研究を重ねて出来上がった「面頬」。
ご依頼をいただくたびに、ひとつひとつ手作りしています。

◆面頬のこれから
岡田守正教士八段に監修いただいた星槎国際高等学校柏キャンパス「伝統工芸技術研究ゼミ」の「面頬」が、剣道における対人稽古再開のお役に立てればとても嬉しく思います。

◆考察
(一応、学校のゼミなので考察やります)
◇武具であることにこだわり、形状と実用性を追及した結果、剣道具の一部として外観上の違和感・使用上の違和感を大きく感じさせないものとなった。

◇形状・素材へのこだわり。
●剣道具と同じ正藍紺反を使用。抗菌効果を得るとともに、装着時における外観上の違和感を最小限に抑えることができた。
●検証を繰り返す中で、プラスチック等の素材は飛沫を吸収せず反射させてしまうが、布は飛沫をある程度吸収するという結果を得ることができ、素材に布素材を採用することで、時勢に沿った目的でも多少なりとも効果が得られることがわかった。
(霧吹きによる色付き水溶液噴霧で検証)

◇様式へのこだわり。
●古来、鎧・兜の一部として存在した部品「面頬」をイメージし、形状のあり方を追求したところ、現代剣道で使用される剣道具の一部品として大きな違和感を感じさせないものにとどめることができた。

◇実用性へのこだわり。
●裏面には赤の帆布を使用。面金の内側がそうであるように、赤色は残像が目に残らない色であるため面頬内側にもその効果を求め赤の素材を使用した。
●裏面を赤い帆布にすることによって、裏面も紺反の試作品よりも視覚的阻害感 が大きく解消されたという体感を多数得ることができた。

◆意図しなかった産物「技術面での効果」
検証・研究を繰り返す中で「面頬」がもたらす思わぬ効果を発見することができました。

「面頬」を装着して対人稽古をすると
●目付が定まる
●面の物見から見ることを意識できる
●結果的に姿勢・構えが正しくなる
●打突姿勢の正しさも意識できる
打突時においては
●首がまがる
●顎があがる
●必要以上に姿勢が崩れている
等の悪癖を、自分自身で感じることができたという感想を多数いただくことができました。

視覚の矯正?
思わぬ産物です!

結果的に自分自身の剣道そのものが、良い方向へ向かっていくことを実感できる?
そんな期待が持てる「面頬」。今後のアンケート結果がますます楽しみです!

さらに、視覚だけでなく剣先が触れ合う触覚にも意識が向かい、技を出す前の充実が図ることが体感できたという感想もいただきました。
攻め・崩しにもいい影響を与えるのでしょうか?おもしろいです!

長文に最後までお付き合いいただきありがとうございました!

「面頬」につきまして何かご質問・お問い合わせ等ありましたら、星槎国際柏キャンパスまでお願いいたします。

星槎国際高等学校柏キャンパス
伝統工芸技術研究ゼミ